化石燃料からクリーンなエネルギーへの完全なる移行は、まだまだ時間がかかりそうですが、その需要は高まる一方です。幸いなことに、若手活動家グレタ・トゥーンバーグによるフライデー・フォー・フューチャーなど、世界各国の政策を揺るがすような取り組みにも見られるように、エネルギー問題に対する熱意は日に日に増しています。再生可能エネルギーは、化石燃料に代替される可能性は高く、環境、社会、そして経済にとって大きなメリットをもたらすと言われています。

世界は石油、天然ガス、石炭などに依存しており、そしてこのような状態が引き起こす被害について広く認識されています。化石燃料からの移行は既に始まってはいるものの、さらに加速される必要があります。政府や企業が運営する電力、公的及び民間の運輸、熱的快適性などの分野において、再生可能エネルギーは化石燃料の代替となる可能性は高いと言えるでしょう。

化石燃料時代から脱却するための障害

再生可能エネルギーネットワークグループの REN21 によると、化石燃料から脱却するための課題は実質的な問題ではなく、政治的な問題であるということです。確かに化石燃料からクリーンなエネルギーへの移行において、大部分の負担を負うのは政府ですが、REN21 も述べているように、ためらいや迷いを見せる政治家への人々の忍耐や信頼は失われつつあるようです。その結果、草の根運動の主催者や大企業に所属する市民や活動家は政治家に圧力をかけるようになりました。例えば米国のジョー・バイデン大統領は、就任後数時間でパリ協定に再び参加するための迅速な措置を講じました。世界が化石燃料から再生可能エネルギーへ移行するためには、協定の制約を遵守することは不可欠です。

改善における過渡的な兆候

また、別の IRENA の報告によると再生可能エネルギー業界の雇用は増加していることが明らかになっています。エネルギー戦略に関するビジネスや個人の長期的な変化への抵抗は、雇用、雇用創出、経済における短期的な影響から予測されることが多いため、このような変化は非常に重要です。また、再生可能エネルギー技術のコストはかつてないほど低くなっており、さらにデジタル化により、電力、冷暖房設備、運輸などの分野で容易に統合が進む可能性があります。再生可能なエネルギーを基礎とする世界を作るためには効果的な統合が不可欠です。2050 年までに化石燃料を一掃するとしているデンマークのような先駆的な国がその可能性は手の届くところにあることを示しています。

デンマークをはじめ、野心的な取り組みが遅れている国々でも、特に太陽光発電は進んでいます。国際エネルギー機関によると、太陽光エネルギーは、世界規模の気候目標の基準を満たしている唯一のテクノロジーです。これは環境だけでなく、経済にとってもメリットがあります。多くの国々にとって、太陽光発電と陸上風力発電は、新たな発電施設の導入において最も費用対効果の高い手段なのです。国の資源と財政的なオプションによっては、現在の化石燃料施設に脅威をもたらす存在であると言えるでしょう。

さまざまな見積もりや研究によると、仮に大きな進歩が見られたとしても大規模なエネルギーシステムの再構築と完全な再生可能エネルギーへの移行には少なくとも 1 世紀はかかると言われています。

大人向けのエンターテインメントの中で、最も規模が大きな施設は間違いなくカジノです。ベラジョンカジノのような大手オンラインカジノも含め、派手なネオンやコンピューター化されているスロットにも膨大な費用がかかっています。さらに空調システムをはじめとしたさまざまな場所ではかなりの電力を使用しています。

このようにカジノは多大な電力を消費していますが、これらはカジノを経営するうえで、必要最低限であると言えるでしょう。カジノ施設は楽しいナイトライフを求めるゲストを魅了しなくてはなりません。まぶしいネオンのサインや瞬く照明、輝く外観や巨大プロジェクターなしで、カジノ客を惹きつけることは不可能でしょう。平均的なサイズのカジノ施設は巨大ショッピングモールと同じくらいの電力を消費していると言われています。

このように莫大なエネルギーを必要とするカジノは生態系に悪影響を与えていると考える方もいるかもしれません。しかし最近いくつかのカジノでは環境保全のため、よりグリーンなアプローチに取り組んでいます。

1. ペッパーミル・リゾート・スパ・アンド・カジノ

こちらの巨大なカジノは米国ラスベガス州のリノにあります。ペッパーミルリゾートスパカジノは 19 階建てのビルを 2 本所有しさまざまな現代的な施設をゲストに提供しています。以前このカジノは、冬の間室内を暖かく保つために 4 つの天然ガスボイラーに依存していました。

長い間天然ガスを使用していましたが、その後天然ガスの揮発性の高さが懸念されるようになりました。もし 1 つのボイラーが爆発した場合、被害は他の 3 つにも及ぶはずです。2 本のビルも破壊され、何百人もの宿泊者の命を奪うことになるでしょう。その結果、2020 年、カジノはもっと環境に優しいエネルギーを模索することにしました。

天然ガスボイラーの代わりに地熱帯水層を使用することで、この問題は解決されました。カジノの下の熱水をくみ上げ、ボイラーへ供給します。これらのボイラーの中で、銅管内の水道水が熱され、ホテル中へ供給されます。このシステムを採用したことにより、ここ数年だけで毎年約 200 万ドルもの節約につながっているようです。

2. リンコンカジノ

リンコンカジノは米国カリフォルニア州サンディエゴにあるカジノリゾートです。こちらの空調施設の電力は現在隣接するソーラーパネルファームから供給されています。これには 800 万ドルの資金が注入されたと言われています。この試みは決して完ぺきではないかもしれませんが、民間企業が太陽光発電へ移行するために行った最大の取り組みの 1 つと言えるでしょう。

カリフォルニア州の太陽発電補助プログラムからの資金調達に成功し、このプロジェクトの半分以上のコストをその補助金で賄うことができました。現在こちらのリゾートの照明の電力は太陽光発電から供給されています。

3. オンタリオ・ロッタリー・アンド・ゲーミングコミッション

数年もの間、こちらの会社はより環境に優しいカジノづくりを目標とし専心してきました。このカナダの企業はブルフロッグパワー社と強固な関係を結び、すべてのカジノが環境に優しいエネルギーのみで運営されていることを保証しています。これは冷暖房設備に限ったことではありません。カジノで使用するすべての設備が自然エネルギーを使用しています。

オンタリオ・ロッタリー・アンド・ゲーミングコミッションは常に素晴らしい環境対策を講じてきました。その中の一例として、紙の使用量を削減しながら宝くじを発行していることがあげられます。同社は再生可能でクリーンなエネルギーを機能させるために、かなりの金額を費やしてきました。また同社の持つ さらに 2 つのカジノにおいても同様の取り組みをスタートさせています。